技術情報
Technology Infomation
イソダメタルでは軸受の内面に銅合金を鋳造したものと、ホワイトメタルを鋳造したものの2種類の軸受を製造しています。ベースとなるバックメタル(鋼)の内面に、これらの合金を密着させるための工程が鋳造です。軸受を製造する際には、主に2種類の鋳造方法を採用しています。1つは遠心鋳造。これは、高温で熱したバックメタルに、溶解した合金を流し込み、高速で回転させる鋳造法で、遠心力を利用することで金属同士をより緻密に密着(溶着)させることができます。完成度の高い軸受に仕上げるには、バックメタルや合金の温度や配合、バックメタルを回転させる際の遠心力など、長年の知識と経験、そして設備が必要となる技術です。もう1つの方法が置注鋳造です。設置したバックメタルの内面に溶解した合金を注ぎ込む製法です。遠心鋳造と異なり、高速で回転させることはありませんが、高温で加熱したバックメタル表面と溶解した合金が溶着することで密着度を高めるのは、遠心鋳造も置注鋳造も同じです。バックメタルの内面にきちんと合金を密着させるためには双方の温度管理が重要になります。軸受は、使用されるエンジンの大きさや出力などによってサイズや形、そして適した合金の配合や厚みが異なります。そのため、求められる条件に合わせて1つ1つ最適な鋳造方法や、合金を選択する必要があります。信頼性の高い製品に仕上げるには、素材に合わせた温度の管理や、遠心力や冷却の速度・方向まで気を配ることが必要です。